
中央日本土地建物グループは、ともにみずほフィナンシャルグループに系譜を持つ日本土地建物と中央不動産が2020年4月1日に経営統合して発足した、総合不動産グループです。
両社がそれぞれ創業以来、約70年を有する歴史の中で培ってきた総合不動産会社としての経験、ノウハウをもとに「都市開発」「住宅」「不動産ソリューション」「資産運用」「賃貸」「海外」「建設」「ゴルフ」の8つの事業分野を手掛けています。
従来よりDX推進にも積極的に取り組んでおり、グループ全体の生成AI基盤の一つとして、AllganizeのAlli LLM App Marketを採用いただいております。今回は、グループの生成AI活用推進を担当されている事務・システム部の皆様にお話を伺いました。
米田様:私たちが所属する事務・システム部は、グループ全体の情報システム部門としてITインフラの整備やセキュリティ対策、全社共通システムプロジェクトの推進などを担っているほか、私たちのチームでは、主に生成AIをはじめとする社内DXの推進や、教育・研修などを担当しています。以前はバックオフィス領域のDXが中心でしたが、現在はミドルオフィスやフロントに近い領域まで範囲を広げ、BX(Business Excellence)を標榜しつつ、業務改善のサポートを行っています。当社内には「DX推進室」という部署もあり新規事業の創出やデータドリブン経営への取組みといった、いわゆる「攻めのDX」を担う一方、私たち事務・システム部は主に社員の働き方などに関わる「守りのDX」を担っており、両者が緊密に連携しながら対応しています。
甲田様:ChatGPTなど生成AIが広く知られるようになる前から、AI関連は取り組むべきテーマとして注目していました。特にバックオフィスは社内照会対応も多く、人事制度、社内規程・手続、システム利用方法について多数の問い合わせが電話で寄せられていました。こうした業務をAIで代替できないかと考え、展示会やイベントなどに参加しながら積極的に情報収集を行っていました。
野澤様:2022年11月頃に生成AIが一気に広がり、世間の関心が急激に高まりました。それまでは、主に業務効率化や自動化を前提とした活用を想定して情報収集をしていましたが、その後は思考の壁打ちやアイデア創造といった新たな活用可能性にも着目し、生成AIによるBXの検討を本格化させました。

甲田様:展示会を見て回る中で、偶然Allganizeのブースに立ち寄りました。その時、「自分たちでアプリを構築でき、しかも柔軟にカスタマイズできそうだ」と感じたのが印象に残っています。その後、複数の生成AIツールと比較検討したうえで、Alli LLM App Marketの次の5つの点を評価して導入を決めました。

甲田様:Alli LLM App Marketを採用した後、生成AIチャットボットなど、わかりやすいアプリから先行して展開しました。全社活用に向けて生成AIの導入加速を図るには、Alli LLM App Marketの社内認知度を向上させ、社内で実際の活用事例を作りながら展開する必要があると感じ、知見が豊富なAllganizeに依頼しました。
米田様:Alli LLM App Marketの更なる利用拡大を企図した支援プログラムでは、全社員向け告知の場で推進方針を示しつつ、複数部署に手を挙げてもらい個別業務に特化したアプリ構築を行いました。各部署に対し、Alli LLM App Marketの紹介だけでなく、生成AIで効率化できそうな業務についてディスカッションしながら進めていったのですが、Allganizeの担当者が積極的にアイデア出しをサポートしてくれて次々と生成AIアプリ候補が出てきました。
野澤様:挙がった候補から、次の6つの業務特化アプリを作成してもらいました。
伴走支援として、アプリ作成だけでなく、生成AIに関する社内向け研修も実施してもらいました。私たちだけでは実現が難しかったと感じています。
野澤様:最初は私たち主導で開発を進めていたのですが、「各現場での機動的なアプリ構築」の観点から、現在は各部署が自分たちでアプリを開発・運用できる「自走体制」を作っています。いつでも参照できる当社独自のチュートリアル動画やマニュアルの作成・社内レクチャーを行い、環境を整えていきました。実際に、グループ会社の一部では、自作の専用チャットボット利用を開始しています。
米田様:社内報では、顔写真付きでユースケースを紹介する記事も掲載しました。私たちの部署は、本部管理部門が集まるフロアにあるため、現場と距離感が生じやすい面がありますが、顔を知っていただくことで気軽に声を掛けてもらえる場面が増え、相談のハードルも下がったと思います。生産者さんの顔が見える野菜のようなイメージですかね。

甲田様:生成AIの利用率は約6割まで伸長しており、社内のナレッジ検索や「どの規程・手続を参照すれば良いか」の問い合わせ一次窓口として良く利用されています。生成AIチャットボット導入後は、調べものや確認事項を自己解決できるケースが増え、問い合わせ対応の省力化が図れています。キャリア入社の方などからは、「誰に聞けば良いかわからない時に、AIで基本的なことを調べられるので助かる」という声も届いています。
野澤様:過去に同じ質問をしていても、相手がAIであれば心理的負担なく問い合わせできるため、業務のしやすさや安心感の向上にもつながっていると感じています。
甲田様:他にも、一般的な情報収集やアイデア創出の効率化にも活用しています。アイデアに詰まったときは壁打ち相手として使ったり、以前は少しずつインターネット検索で調べていた内容をAIにまとめて回答してもらったりしています。自分の言葉で問いかけても意外と精度の高い答えが返ってくるので、作業効率の向上を実感しています。
米田様:徐々に増えていく個別業務アプリが、グループ内でも刺激にもなっているようです。ある部署が構築したアプリをAlli LLM App Market上で見て、「こういうアプリをうちも作ってみたい」と手を挙げてくれるようになりました。グループ全体の風土・文化の醸成には、こうした横のつながりというのも非常に重要だと考えています。

米田様:導入前から丁寧に支援していただきました。最初は私たち事務・システム部のメンバーもスキルが十分でなく、複数のアプリを同時に構築していた時などは結構大変でしたが、Allganizeの担当者が熱意をもって対応してくださり、乗り越えることができました。
野澤様:社内説明会の際も、内容・構成検討や資料作成にお力添えをいただいたり、対面実施をしたいとの要望にも快く会場まで足を運んでいただくなど、プロジェクトが大変なときに皆さんがずっと裏側で支えてくれたことに感謝しています。現在も、機能上の不明点や質問にすぐに回答してくれるので、大変助かっています。
野澤様:今後は、「生成AIに触れる・個人活用する」から「生成AIを組織的に業務活用する」へモードチェンジを行いたいと考えています。そのために、各部がそれぞれのニーズに応じて機動的にアプリ構築を行える現場自走体制に向け私たちもしっかりとサポートしたいです。
米田様:将来的には、自律型AIエージェントの活用も調査・検討していきたいです。例えば会議資料の作成です。PowerPoint資料の下書きをAIが自動生成してくれるようになれば、どの部署も劇的に効率が上がります。
甲田様:AIは使うことが目的ではなく、事業の強化・拡大や品質向上に繋げることが本来の目的です。各部署が本来やるべき業務に注力するために利用していけるよう、グループ全体で成功体験を作りながら、AI活用が当たり前になる風土や文化を、時間をかけて醸成していきたいと考えています。
